自然漏洩量の比較と考察
エアゾール製品の自然漏洩量はガスケットでシーリングされている場所から内容物の透過などにより発生する事象です。ステムガスケットでシーリングされているマウンティングカップのセンターホール(ステムホール)部周辺とシールガスケットにてシーリングされているマウンティングカップと容器のクリンチ部周辺からのそれぞれの自然漏洩量は下記のようになりました。この試験結果からは自然漏洩の多くはセンターホール部周辺から起こる事が推定されます。又、その漏洩量はステムガスケットの膨潤率が高いほど増加する傾向にあります。
一方、クリンチ部周辺からの漏洩量はセンターホール部周辺の漏洩量と比較しても比較的少量である事から、シールガスケットの膨潤率に余り影響を受けない傾向にあるものと考えられます。
よって、バルブ仕様のステムガスケット選定は特に重要であると考えられます。
試験方法
試験検体 : 原液溶剤 70%、LPG (0.34) 30%
試験バルブ仕様 : ①04-5020、05-5110-20、06-6040、07-5180、09-2010、32-8790、05-9420
②32-8790(センターホールなし)、05-9420
試験容器 : AE180WN 試験期間 : 32日間 試験条件 : 室温・正立保管 試行数 : n=3
測定方法 : ①のバルブを用いて全ての自然漏洩量を求める(A)。②のバルブを用いてクリンチ周辺部
からのみの自然漏洩量を求める(B)。全漏洩量(A)から(B)を減じてステムホール周辺部
からの漏洩量を算出する(C=A-B)。
試験結果 :
原液溶剤 | 自然漏洩量 [g] | ||
---|---|---|---|
全漏洩量 (A) |
クリンチ周辺部 (B) |
センターホール周辺部 (C=A-B) |
|
トルエン | 0.189 | 0.007 | 0.182 |
塩化メチレン | 1.681 | 0.019 | 1.662 |